マリオネットは日本におけるポルトガルギターのパイオニア・湯淺隆と、マンドリン奏者・吉田剛士によるアコースティックユニットです。
独特のオリジナル音楽の創作を中心に、ファドやポピュラー音楽まで幅広い音楽活動を行なっています。
ファドというのは、ポルトガルの首都リスボア(リスボン)のアルファマ地方で生まれ、歌い継がれてきた民俗歌謡です。
この民衆の歌・ファドに6コース12弦のギターのポルトガルギターは欠かせません。ファドを、そしてポルトガルギターを演奏する際に最も重要な感情を「サウダーデ(哀愁・郷愁などと訳される)」といい、如何に深く表わせるかで、演奏者の力量が問われます。ファドが注目されるきっかけとなったフランス映画「過去のある愛情」の挿入歌「暗いはしけ」を今回のコンサートでも演奏予定です。湯淺隆の奏でるサウダーデ、みなさまの心に響きますでしょうか。是非ご期待ください。
一方マンドリンは17世紀ごろ、イタリアで生まれた撥弦楽器です。 弦は4コース8弦で、2本ずつ同音に、ヴァイオリンと同じ様に調弦されます。本家イタリアでは20世紀前半まで隆盛を極めましたがその後下火になり、実は現在、世界で一番愛好者人口が多いのは日本だということです。
その音色は構造上実に多彩で、低音部は比較的やわらかい音色を持ち、また高音部は華麗で透き通った音色を持っています。高音に上がるにしたがって緊張感を増し、より通る音になっていきます。
'98年に開催されたリスボン国際博覧会EXPO'98の日本館主催ジャパンデーのイベントに、マリオネットは日本代表で出演されました。
また、同博覧会の「Festival de Guitarra Portuguesa na Expo'98」に日本人では唯一招待され、2010年より湯淺が≪マカオ観光局音楽大使≫となるなど、国際舞台も含めて益々の活躍が期待されているお二人です。
ポルトガルギターとマンドリンの、金属弦による繊細で優美な澄んだ音色をご堪能ください。
プログラム
●暗いはしけ 作曲/C.ヴェーリヨ
●南蛮渡来 作曲/湯浅隆
●唐街雨情 作曲/湯浅隆
●日曜はダメよ 作曲/M.ハジダキス
●マンドリン酒場の夜 作曲/湯浅隆
他
(曲目は予告なく変更する場合があります、予めご了承ください)
協力 : 社会福祉法人 愛荘町社会福祉協議会
ハーティーセンター秦荘(愛知郡愛荘町安孫子822)
愛知川公民館(愛知郡愛荘町愛知川13-2)
滋賀県立文化産業交流会館(米原市下多良2-137)
出演者紹介 |
マリオネット |
湯淺 隆 Takashi Yuasa (ポルトガルギター奏者)
14才でギターを始め、日本ギター音楽学校を経てクラシックギターを小野剛蔵氏に師事。フォーク、ロック、ブルース、ラテンと幅広い活動を続けるうち、ポルトガルギターと出会う。'87年、ポルトガルに渡り、アントニオ・シャイーニョ氏、ルイス・ピィニェイロ氏に師事、のち帰国。 日本におけるポルトガルギターのパイオニアとして、ファドにとどまらない独自の境地を確立、その音楽世界は本場ポルトガルでも高く評価されている。 現在、吉田剛士とのアコースティックユニット《マリオネット》として、オリジナル音楽の創作を中心に音楽活動を行なう傍ら、近年は作詞・作曲家として歌手への楽曲提供(グラシェラ・スサーナ『唐街雨情』他)も積極的に行っている。2010年よりマカオ観光局音楽大使。 |
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吉田 剛士 Goshi Yoshida (マンドリン奏者)
15才でマンドリンを始め、'80年~'84年、川口雅行氏に師事。'84年、渡西独。国立ヴッパータール音楽大学にてマーガ・ヴィルデン・ヒュスゲン女史に師事。'87年、同校演奏家資格試験を最高点で卒業、同年帰国。'88年、NHK洋楽オーディション合格。 湯淺隆とのアコースティックユニット《マリオネット》としての活動以外にクラシックマンドリン奏者としても活躍、高い評価を得ている。 2000年11月、初のソロCD『イタリアン・センチメント』を発表。2006年には、《マリオネット》の楽曲を専門に演奏する100名の団員による《マリオネット・マンドリンオーケストラ》を組織、新たなマンドリン音楽の確立に力を注いでいる。 日本で唯一のマンドリン専門誌「奏でる!マンドリン」の監修も務める。 |